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西原 珉

にしはら みん

東京藝術大学美術学部卒業。キュレーター/心理療法士。1990年代の現代美術シーンで活動後に渡米し、ロサンゼルスでソーシャルワーカー兼臨床心理療法士として働く。家族療法、認知行動療法を中心に多くのアプローチを実施し、個人・グループに心理療法を行うほか、シニア施設、DVシェルターなどでコミュニティを基盤とするアートプロジェクトを実施。2018年に日本に戻り、アートとレジリエンスに関わる活動を行う。2021年4月より秋田公立美術大学で教鞭をとり、また国際美術展シリーズ「SPRING 2021」「SUMMER 2022」、展覧会「When we talk about us,」(2023)、国際芸術祭「東京ビエンナーレ2023」を手掛ける。現在、秋田市文化創造館館⻑、東京藝術大学先端芸術表現科准教授。

過去作

「こどもかいぎ わたしたちでつくるまち」 みんなと街をつくろう! 3331に集まれ〜
アーリー90's トーキョー アートスクアッド
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このアーティストのプロジェクト

おともといっしょ

その他のエリア
本プロジェクトは、千葉市緑区にある千葉県こども病院を舞台に、アートを通じて癒しと交流の機会を創出することを目的としている。長期入院を余儀なくされている子どもたちはもちろん、不安を抱えながら付き添うご家族や、日々緊張感の中で働く医師・看護師など、病院という空間で日常を過ごすすべての人々に向けて、心の安らぎと自己表現の場を届けることを目指す。 2024年度はそのプレ企画として、まず病院スタッフを対象にワークショップを実施。編み物や縫い物といったクリエイティブな体験と対話を通して、スタッフの現状や思いに耳を傾け、今後の方向性を探るためのイントロダクションとして位置付けた。 2025年度は、キュレーターおよび協力アーティストを迎え、病院の特性に寄り添いながら、現場の声を反映したワークショップや展示を展開していく予定。芸術祭の集中発表・展示期間(2025年9月〜11月)にとらわれず、病院や患者の状況に応じて柔軟に実施する。 中心となる活動は、医療現場で使われてきた「キワニスドール」をベースに制作されたドールを活用したアートワーク。子どもたちは、用意されたドールに布を貼ったり色を塗ったりすることで、世界にひとつだけの“分身”を創作する。さらに、そのドールを主人公に見立てて「自宅に帰る」「院内を探検する」「おつかいにいってもらう」といったシーンを写真に収め、子どもたちと共有することで、病室にいながらにして他者の体験を“追体験”できるようなプログラムを構想している。 針などの使用は避け、「貼る」「塗る」といった安全性に配慮した表現方法を中心に計画。また、滅菌環境下での制限や患者ごとの体調にも細やかに対応するため、病院側と綿密に連携しながら、実施の可否や時期を慎重に検討していく。このプロジェクトは、アートを通じて人と人との関係性をつなぎ育み、孤立や不安にそっと寄り添う存在として捉え直す試みでもある。
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