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マシャ・トラヴリアニン

ましゃ とらゔりあにん

参加型の構造や視覚的なパターンを通じて、物語を紡ぐ作品を展開している。

体験型のインスタレーションでは、鑑賞者が能動的に関与し、作品の一部となる。作品の意味は固定されず、メディアと鑑賞者のあいだに生まれる継続的な相互作用によって変化していき、対話を生み出している。こうした実践は、儀式や伝統から着想を得た要素を、現代のデジタルアートとして再構築することで生まれている。

土は繰り返し扱ってきた素材のひとつであり、「借りて、返す」ものとして位置づけている。地に足をつける力を象徴するとともに、平等化の媒体であり、身体とのつながりを示す素材でもある。

絵画作品では、壁紙をキャンバスとして用い、加工した家族写真を壁紙に描かれた伝統的な装飾に重ねている。壁紙の持つ親しみやすさと繰り返しのパターンによって、作品は流動的な性質を帯びている。反復が意味をどのように変容させるのかを探る試みでもある。こうした絵画は、1990年代のボスニア内戦以前の生活を想像しながら、戦争の遺産や現在の社会的文脈を映し出している。

過去作

Jugoslovanske Željeznica (2022)_Maša Travljanin
Cubic Sculpture (2024)_Maša Travljanin
作品写真
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このアーティストのプロジェクト

I WISH TOMORROW

その他のエリア
I WISH TOMORROW(IWT)は、「願いごと」という誰にとっても身近な行為を通じて、人々の対話や共感を促すアートプロジェクトである。参加者は、自身の個人的な思いを言葉にしながら、地域や世界とつながる物語の一部となる。インスタレーションを通じて、一人ひとりの願いが他者と交わり、理解や思いやり、つながりを促す。 本プロジェクトは、2023年にベルギー・アントワープのノールデルリヒト・パレードにおいて、王立美術アカデミーと地域コミュニティとの協働により始まった。市内を巡回するモバイル型の光のインスタレーションとして展開され、参加者や通行人の願いが次々と集められた。 IWTでは、誰もが匿名で、いつでも、どんな言語でも未来への願いを投稿できる。毎晩、その願いが夜空に光の文字として投影され、宇宙へと放たれる。「願い」がいつか叶う未来への希望が、ひとつの光となって現れる。 本作は、「願う」という根源的な人間の行為に着目している。ブラジルの「ボンフィン・フィタ」や、トルコの「願いの木」、オランダの「ウェンスブーム」、東アジアの「七夕」など、世界各地には願いを言葉に託す風習が存在する。IWTはこれらの文化的慣習を再解釈し、現代的な光のインスタレーションとして表現している。 インタラクティブな光のインスタレーションは、願いを継続的に集めて可視化し、文化や言葉の違いを超えて、多くの人の思いが重なる物語と参加の場を生み出す。そうして集まったささやかな願いは、公共空間に立ち上がる表現として共有されていく。 プロジェクトは3つの段階で構成されている。まず、七夕の風習に着想を得て、千葉市民や訪問者が短冊に願いを書き、共有するワークショップを開催する。 次に、千葉国際芸術祭2025の集中展示・発表期間中、千葉市内の公共空間にインスタレーションを設置し、集まった願いを光の文字として可視化する。来場者は専用サイトにアクセスすることで願いを投稿することもできる。 会期終了後には、集められた願いとプロジェクトの記録をまとめた冊子を制作し、市民が自由に手に取ることのできるアーカイブとして、図書館に寄贈する予定である。 【市民参加のかたち】ワークショップ参加/展示鑑賞
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