脱皮的彫刻
アーティスト
高嶺 格
「脱皮的彫刻」は、2023年に旧第一銀行横浜支店、2024年に多摩美BlueCube、2025年にバンクーバー美術館で行われた約60分のパフォーマンス作品である。パフォーマーは、自己の抱える葛藤について独白を行ったあと、全身を石膏で塗り固められ、そこから脱皮するプロセスを体験する。石膏に閉じ込められ、視覚と聴覚を遮られることで、意識が自然と内側に向く。最初は液状だった石膏は、やがて鎧のように固くなり、全身をぴったりと支える支持体となる。カスタムなシェルターに包まれた内省の時間が、この作品のハイライトである。そして、繊維を混ぜ込んだ石膏を体の後ろ半分に塗ることで、体の型を「抜け殻」のように残すことができる。千葉国際芸術祭では、この作品をパフォーマンスとしてではなく、ワークショップ形式で行い、「これまでの自分」としての抜け殻を展示する。市民から参加者を募り、会話をもとにポーズを決め、石膏取りを行う。参加者の言葉、記録写真と共に展示する。
【市民参加のかたち】ワークショップ参加/展示鑑賞
・プロジェクトディレクター いわさわ たかし
・プロジェクトマネージャー 両見 英世
・プロジェクトコーディネーター 直島 なぎさ