Menu Close

STATION to STATION

スロー・アート・コレクティブの作品は、つねにその場所と対話して、既存の街や建築空間と共生する形で竹やパイプなどで可変的な仮設体を設置し、そこを街の人々が集まる場所にすることを目指している。ひもという自由な素材を各々が竹に編み込んだり、結んだりしてだんだんと大きな編み物建築ができてくる。また風や太陽の力を活かした装置と組み合わせながら、街の音や風を見たり聞いたりできるしかけも組み込む。常に即興性を重視して日常素材を使いながら、異次元的な非日常空間を創り出していく。

これまで東京やメルボルン、クイーンズランドなど多様な環境で展開されてきたこれらの作品は、場所ごとに様々な異なる意味や価値を生み出してきた。東京では大きなアート神社のような空間ができ、メルボルン郊外では地域のトルコ人移民の家族が自分たちの結びの文化を継承し合う場所として機能し、クイーンズランドの小さな田舎町では出歩かない住民のいこいの場となり待ち合わせの場となった。こうした多様な体験が生まれる背景には、参加者自身が一本の紐を自由に結び合うことで作品の一部となり、空間と時間を共有するプロセスがあるからである。

ある小学校での長期プロジェクトでは、子どもたちが「これほどクラスメートと深い対話を交わしたことは初めてだった。友達とすごく仲良くなった」と口をそろえた。無理な会話をする必要もなく、ただ共に場を共有してなにかをすることが、ゆるやかに心を開くことにつながったという。

「スローアート」は地域社会とのつながりのなかで共に作り、遊ぶことで、作品になっていく。それは、どこの場所でどんな人たちと実践されるかで結果は日々変容するものでもある。本プロジェクトでは、千葉の地域と連携し、千葉国際芸術祭2025の理念と共鳴しながら、新たな創造と出会いの喜びの場を千葉市の中に創出させるプロジェクトを展開する。

【市民参加のかたち】ワークショップ参加/制作参加/展示鑑賞

スケジュール

・2025年5月 現地視察、千葉子供病院視察、ミーティング、千葉駅・そごう・イオン視察、材料のリサーチ、スタッフ・施工の人たちとのミーティング
・2025年6月〜9月 モデル・マケット・スケッチなどの作成、制作内容と場所の決定、スタッフ・施工の人たちとのズームミーティング
・2025年9月 来日、2−3週間滞在制作

このプロジェクトの拠点