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Words of Light 光の言葉

アーティスト
鈴木 のぞみ

私は光の諸現象により事物に見出すことができる潜像を〈事物の記憶〉であると捉え、写真の原理を通して顕在化を試みている。「Words of Light(光の言葉)」とは、光によって描写された自発的な像が「photography(写真)」と呼ばれる以前に、W・H・フォックス・タルボットが写真とそれを生み出す自然とのあいだの関係を表そうと記した語句のひとつである。

私たちの暮らしには、さまざまな用途や意匠、生物の営み、あるいは欠損から穴があいている事物が存在している。日常では他の光に紛れているが、それらの穴に生じている小穴投影現象(ピンホールカメラの原理)により結ばれている光の像は、いま、ここに確かに存在する。それはまるで、光が人知れず独白を囁いているようだ。

このプロジェクトでは、市民の方と協同して千葉市内の小穴投影現象が生じている穴を探索する。それらの「ピンホール」と呼ぶにはやや大きすぎる穴が映し出す光の像をフィルムや印画紙などの感光材に定着することで、私たちの身の回りのそこかしこに溢れている「光の言葉」を可視化する。

小穴投影現象により生じている光の像をさまざまな感光材に受けとめる行為とは、多様な写真言語を通して「光の言葉」を翻訳する行為であるといえるのではないか。私はここに提示されるイメージの作者ではなく、「光の言葉」の媒介者、あるいは翻訳者であれたらと思う。

【市民参加のかたち】 ワークショップ参加/作品制作/展示鑑賞

スケジュール

・2025年7月 作品制作・会場整備・清掃
・2025年8月 作品制作・インストール・ワークショップ
・2025年9月 作品制作・インストール・ワークショップ
・2025年10月〜11月 ワークショップ

このプロジェクトの拠点