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キメラ遊物店/アーツうなぎ

アーティスト
岩沢兄弟

1871年に千葉県内で創業し、2014年に閉店した老舗割烹店「うなぎ安田」の元店舗を舞台としたアートプロジェクト。千葉市市場町で10年以上閉じていた歴史ある建造物を、市場町で生まれ育ったクリエイターユニット「岩沢兄弟」が新たな姿でひらいていく。

元厨房の1階は、岩沢兄弟がユニークなものづくりを展開する「キメラ遊物店」として運営。まちから集めた材料置き場・工房・店舗を兼ね、さまざまなモノとモノ、アイデアを組み合わせた「キメラ遊物」が岩沢兄弟とその仲間達によって日々生み出されていく。来場者はものづくりの様子を覗きつつ、ときどき開催されるワークショップに参加したり、材料やキメラ遊物を手にとれる。キメラ遊物店の中に謎店舗「“なんでも公式グッズ”セルフ」が立ち上がり、「芸術祭オフィシャル非公式グッズ」や「ちば公式土産(案)」を制作する予定。

また2階は、千葉国際芸術祭2025のコミュニティセンター「アーツうなぎ」として活用。元割烹店らしい趣きが残る空間で、アートに関するトークイベントや交流会、芸術祭の情報発信が行われる予定である。

【市民参加のかたち】ワークショップ参加/展示鑑賞

スケジュール

・2025年6月〜7月 設計制作・材料収集
・2025年8月 制作
・2025年9月〜 展示・WS

このプロジェクトの拠点

岩沢兄弟

「モノ・コト・ヒトのおもしろたのしい関係」を合言葉に、人や組織の活動の足場となる拠点づくりを手掛けている兄弟ユニット。兄弟ともに千葉県千葉市生まれ。WEB・紙媒体制作から空間設計まで幅広く手がけ、特に空間・家具などの立体物設計、アナログとデジタルを活用したコミュニケーション設計を得意する。プロダクト開発やワークショップ等も多数手がけ、アートフィールドでも活動するなど活躍の場を広げ続けている。 近年の主な展示に「100年後芸術祭」(2024年、千葉県市原市)、「瀬戸内国際芸術祭2022」(2022年、香川県高松市)、「つくりかけラボ06 岩沢兄弟|キメラ遊物園」(2022年、千葉市美術館)、「とある美術館の夏休み」(2022年、千葉市美術館)などがある。 【構成メンバー】 いわさわひとし(兄) 1974年生まれ。多摩美術大学建築学科卒業。岩沢兄弟の立体物デザイン担当。空間デザイナー、車輪家具プロデューサー。空間デザインからイノベーション家具、名刺ケースまで立体的な物をつくるのが得意。動く物が好き。 いわさわたかし(弟) 1978年生まれ。武蔵野美術大学短期大学部生活デザイン学科卒業。プロジェクトのコンセプト設計、ディレクションを行う。2006年から音楽ユニット「RENTaCAR」としても活動している。
さらに詳しく

このプロジェクトのレポート・コラム

歴史ある老舗割烹店が、店舗型作品へ!? 「アーツうなぎ」、つくってます。

キメラ遊物店/アーツうなぎ
こんにちは。岩沢兄弟の兄・ひとしです。 いま、「アーツうなぎ」という拠点をつくっています。 「アーツうなぎ」は、元・鰻割烹店を活用した拠点。もともとのお店は1871年に創業し、長い長い歴史を刻んだあとに10年以上閉じたままでした。そんな歴史ある建造物のリノベーション……のような、改造のような、空間まるごと編集していくような活動をしています。(>プロジェクト概要はこちら) アーツうなぎの建物は2フロア構成。2階は千葉国際芸術祭2025のワークショップ会場などに活用され始めています。 アーティスト諏訪部佐代子さんのワークショップ準備の様子。 DIYでつくってみた"ナミナミ”で”スケスケ”なファサード 一方、1階はというと。先日公開した時点では、またベニヤで仮囲いされていた、通り沿いの壁ですが、いまは、ナミナミスケスケのファサードになりました。なんだそれ?と思うかもしれませんが、ようは、波波で、透け透けなんです笑(説明になっているのか?) 「アーツうなぎ」の1階ファサード。内側から千葉市国際芸術祭の「ち」ポスターも貼っています。手前の土間なし石エリアは、これから植栽を入れる予定。 岩沢兄弟お得意(?)の、通称「ナミスケファサード」。以前、神津島のプロジェクトで拠点形成したときに、このナミスケファサードを導入していたんですが、その後何回も台風が通り過ぎてもびくともしなかったので、こちらにも取り入れてみました。 神津島では、島の大工さんに施工してもらいましたが、今回はあえて設計と施工まで自分たちでおこなう、セルフビルド型で臨みました。 というのも、普段はお願いする部分も、やっぱり自分たちで一度つくってみると、つくりかたの解像度が段違いに上がるので、「こんなことができそう!」の境界線が広がるんですよね。 岩沢兄弟チームの土田さん。みんなに心の安寧をお届けしてくれる存在。あうんの呼吸でものづくりが一緒にできる貴重な仲間です。 みんなで頑張ったけど1日では、外壁は塞がらす。ブルーシートで一夜を過ごす… ビスを等間隔にしたかったので、ナミスケ施工専用の治具も作りました。道具のための道具づくり、楽しい。 ナミスケ施工専用の治具。3Dプリンターでつくりました。この写真が一番「波波」具合が伝わりますかね。 スケスケになったことで、通りゆく人たちがちらっと覗くようになってきました。 9月には岩沢兄弟の「キメラ遊物店」オープン予定! アーツうなぎ1階は、これから千葉市国際芸術祭の集中展示・発表期間(2025年9月19日〜11月24日)に向けて、岩沢兄弟の「キメラ遊物店」の開店(?!)準備を進めています。 2021年に千葉市美術館で初お披露目した、いろんなモノたちを組み合わせて「キメラ」を生み出す「キメラ遊物園」。今回はさらに発展して、仮想店舗として出現します。 キメラ遊物店のスタディ中。 いろんなモノを試しにつくってみたり、店舗っぽい場づくりを作ってみています。相変わらず、手を動かしながら考える、岩沢兄弟スタイル。 せっかくなので、ご近所さんともいろいろコラボできたら楽しそうだなと妄想しています。今日はここまで。 執筆・いわさわひとし(岩沢兄弟・兄)編集・岩沢エリ ※本レポート記事は、岩沢兄弟公式note記事「歴史ある老舗割烹店が、店舗型作品へ!? 「アーツうなぎ」、つくってます。」をもとに一部編集して転載しました。
キメラ遊物店/アーツうなぎ