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上野 悠河

うえの ゆうが

1997年千葉県生まれ、千葉県在住。

現代音楽への関心やオーケストラの打楽器に所属していた経験から、1960〜70年代の美術史研究を経て、現代における人間や「もの」の複雑な振る舞い、関係性、有限性に焦点を当てた作品を発表している。美術や音楽に関するほとんどすべての技術を独学で習得した上で、レディ・メイドの道具や機材、その機能を実際に利用し組み合わせたサウンド・アート、インスタレーション・アートを主軸に表現しているほか、ミュージシャン「Mus’c」(ムスク)としても活動。

近年の展示に、個展「独奏・曲・のための・奏者」(あをば荘/東京)、個展「ものたちは、歌い、蔑み、愛し合った」(千葉市民ギャラリー・いなげ/旧神谷傳兵衛稲毛別荘/千葉)、「SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展」 (スパイラル/東京)、「ZOU-NO-HANA FUTURE SCAPE PROJECT 2022」(象の鼻テラス/横浜)など。

「ClafT(中央線芸術祭)」に2021年から参加・出展。また「SICF23」大巻伸嗣賞、「第二回ISAC国際作曲コンテスト」Special Prize (Special Mentioned)、「島村楽器 録れコン2022」グランプリなど、展示/受賞多数。

過去作

車輪に金属製の支柱が接続された構造物が屋内に三つ並んでいる写真
「三つの早贄」2024, 千葉市民ギャラリー・いなげ/千葉
「No groove」2023-2024, 旧神谷傳兵衛稲毛別荘/千葉
「そのとき言葉は遮られた」2024, ギャラリイK/東京
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このアーティストのプロジェクト

Tele-Interference Counterpoints (in Chiba)

千葉駅周辺 エリア
「Tele-Interference Counterpoints (in Chiba)」は、廃棄予定の蛍光灯を千葉市内で回収・整備し、複数台のラジオやスピーカー等を組み合わせて、光と音によるインスタレーションとして「再生」する/させる一連のプロジェクトである。 本プロジェクトでは主に、市内各所から蛍光灯を集める「回収フェーズ」と、集めた蛍光灯による明滅する光の展示を行う「展示フェーズ」で構成される。 本作の背景として、従来の蛍光灯が2027年に製造・輸出入禁止となる、いわゆる「蛍光灯2027年問題」がある。実際に、転換期にあたる現在は各所で蛍光灯の置き換えと同時に廃棄を伴う流れが加速している。これまで作者は捨てられかけた蛍光灯を各所から集め作品に用いてきたが、本プロジェクトの「回収フェーズ」では交換→廃棄のプロセスの間に、回収に加えて地域を巻き込んだ蛍光灯に関する対話のコミュニケーションを組み入れる。講演やワークショップを通して、蛍光灯の仕組みから実態を再認識しつつ、消えゆく蛍光灯の印象や経験を共有し記録することを本フェーズの目標とする。 「展示フェーズ」では集めた蛍光灯を明滅させ、複数台のラジオ、スピーカー等を組み合わせて、展示作品としての「Tele-Interference Countepoints (in Chiba)」を構築する。チカチカと明滅する蛍光灯から発せられる電磁波がラジオの電波に干渉し、さまざまなノイズとなって発音される仕組みの本作は、その光と音が集積・氾濫することで新たな表情を生み続ける。電磁波に道具の機能、ラジオの音声とノイズを対立・衝突させることで、新たな切り口から“もの”本来の性質: “もの性”があらわれる現象を「カウンターポイント」(対位法)と示したインスタレーション作品である。 展示は夕方から夜間に点灯・開場する。展示と並行して、回収フェーズやイベント・ワークショップにおいて記録した素材にまつわる記憶、経験の共有といったコンテクストやプロセスをオープンにし、映像やパネルなどの形態で発表する。 光と音のゆらぎは懐かしさやペーソスを想起させる一方、世代によっては新鮮なメディアとしても映る。さまざまな人の印象や想い、そして組み合わさることで変化し続ける時空間を、ふたつのフェーズで多層的に提示していきたい。それまで身近にあった/無くなりつつある蛍光灯を通じて、“もの”と“もの”、“もの”と人、人と地域、消費と循環、記憶と未来をつなぐ美術の役割を、本プロジェクトを通して追究する。 【市民参加のかたち】 材料提供/イベント・ワークショップ参加/展示鑑賞
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このアーティストのイベント・展示