Menu Close
33年後のかえる

「かえっこバザール in 花見川団地」を開催しました

2024.11.19

千葉国際芸術祭2025のプレ企画、「かえっこバザール in 花見川団地」を11月9日に開催しました。千葉芸としては3回目となる「かえっこバザール」ですが、今回の会場は花見川団地内に新たに誕生したシェアスペース「団地テーブル」。こちらはなんと11月9日オープン、つまりオープン初日という記念すべき日にかえっこバザールを開催させていただきました!

この日は花見川団地商店街振興組合さんによる「100円商店街」も同時開催されており、団地内は大賑わい◎

かえっこバザール会場にはかえっこの生みの親であるアーティスト・藤浩志さんも来てくださり、集まったおもちゃの設置からかえっこオークションの司会進行までを行ってくださいました。

かごの中から次々とおもちゃを手に取り、一つひとつ並べ、あっという間に場をつくり上げていく藤さんの周りには、緩やかな空気となにか特別な時間が流れているようにも感じられ、自然とその動作に見入ってしまうこともしばしば。

商店街の通路に展示された藤さんの作品も同様に、まるで日常のようにその場に溶け込みつつ、通りかかった人たちを惹き付けている場面を何度も目にしました。

そんな藤さんのつくりあげる柔らかな世界観の中で、今回もかえっこならではの人と人とのつながりを感じられる出来事がありました。

この日かえっこ会場に遊びに来てくれた少年のAくんとBくん。

お互い顔も名前も知りません。

Aくんがかえっこ受付にあずけたおもちゃをBくんがカエルポイントをつかってゲットすると、Bくんが「それ僕が持ってきたおもちゃだ」と気付き、そこから交流がスタート。

さらに、その後のかえっこオークションではAくんがもってきたおもちゃをBくんが落札するという奇跡的な出来事も!

BくんはAくんが持ってきたおもちゃだということは知らず、なにか運命的なものを感じてしまいました。

かえっこのおもちゃを通じて初めて出会った2人が一緒に遊び、その場と時間を共有する姿は、まさにこの芸術祭として見たい風景の一つでもあり、胸にグッと来るものがありましたね。

これからも、アートプロジェクトをきっかけに何かが生まれ、その先の未来に繋がっていく芸術祭をつくっていけたら良いなと思うのでした。

かえっこバザール in 花見川団地に参加してくださったみなさん、アーティストの藤浩志さん、ご協力いただいた花見川団地商店街と団地テーブルのみなさん、本当にありがとうございました。

このレポート・コラムのプロジェクト

33年後のかえる

その他のエリア
33年でひとつの世代が入れ替わる。2世代で66年、3世代で99年となる。
私の娘が生まれた33年前、1992年は、インターネットやスマートフォンなど、デジタル文化が開花する前の時代だった。さらにその33年前、私が生まれた1960年は、プラスチック製品や電化製品、自動車が普及し始め、大気汚染や海洋汚染が始まった時代だった。 この2世代の間に、世界の流通は大きく変化し、大量の商品や情報が暮らしを変えてきた。科学技術は、人々の生活を高度かつ高速に進展させてきたが、一方で排出ガスによる大気汚染や、排水による海洋汚染、さらには気象変動による大災害など、廃棄物による影響は環境に大きな変化をもたらし、地球規模の課題となっている。 「今の子どもたちが活動を担う33年後、2058年の未来は、どのような地域社会になっているだろうか。」
私は、これまでの時代に作られてきた都市、商品、エネルギーなどが流通した後の廃棄物のあり方に注目し、活動を重ねてきた。それらが次の時代にどのように受け継がれ、どのような循環システムに還元されていくのか。そのような廃棄物の未来について、さまざまな可能性を模索したいと考えている。 この活動に関連して、子どもたちが不要になったおもちゃを交換する「ちからのかえっこ」を千葉市内の数カ所で開催する。またこれまでの活動で集まったプラスチック素材を用いて「かえるの池」を制作・展示し、33年後の地域社会や地球環境について子どもたちと考えるプロジェクト「33年後のかえる」を展開したいと考えている。 【市民参加のかたち】ワークショップ参加/イベント運営/素材提供/展示鑑賞
さらに詳しく