まちばのまちばり
千葉国際芸術祭2025 プレ企画「まちばのまちばり」ワークショップがスタート!
2025.02.04

アーティスト・西尾美也さんによるアートプロジェクト「まちばのまちばり」が、2月1日(土)にスタートしました。本プロジェクトでは西千葉を舞台に「〇〇の人」をテーマにした全5回の服作りワークショップを開催します。
第1回目のテーマは「引き算の人」と「パッチワークの人」。10名の参加者が、それぞれのテーマに沿って計20着の服を制作しました。
まず、西尾さんが「引き算の人」について説明し、その着想が奪衣婆(だつえば)に由来することを紹介しました。奪衣婆とは、あの世で亡者の衣を剥ぎ取り、木の枝のしなり具合で罪の重さを判断する老婆の鬼です。この考え方を応用し、服の生地を減らして軽くすることが「引き算の人」のコンセプトです。
また、西尾さんは「女子高生が制服のスカートを短くする行為や、肩出しのカットソー、破れたデニムなども視点を変えれば引き算の人と言える」と説明しました。
使用する素材は地域で集めた古着です。まずは各自が土台となる服を選び、最初の重さを測定。その後、丈を短くしたり、袖を落としたり、四角く穴を開けたりしながら、大胆に削ぎ落としていきました。西尾さんが用意した10cm~30cm角のダンボールをガイドに慎重にカットする人もいれば、感覚を頼りに思い切ってカットする人もいて、それぞれのアプローチで「引き算の人」の服が生まれていきます。



切り抜いた部分はそのままでもいいし、レースや薄手の生地を縫い合わせて新たなデザインを加えるのも自由。最後に再び計量し、服の重さが軽くなったことを確認すると、参加者たちはホッとしたような、達成感に満ちたような表情を浮かべていました。「引き算の人」という視点から、既存の服にはない新しいデザインが完成しました。








続いて「パッチワークの人」の工程へ。「引き算の人」でカットされた布や、別の古着を正方形に裁断し、中表(なかおもて)縫いでさまざまな色や素材、柄をつなぎ合わせていきます。チェック柄をあえて斜めに裁断して組み合わせたり、異なる色や模様を意識して配置したりと、個性あふれるパッチワークの布が次々と生まれていきました。最後に、それを土台の服に縫い付け「パッチワークの人」の服が完成しました。







こうして「引き算」された布が「足し算」され、新しい形が生まれた一日。服の重さだけでなく、ものの見方まで少し軽やかになったような気がします。

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