まちばのまちばり
まちばのまちばり 第8回ワークショップ「ファスナーの人」開催レポート
2025.09.01
2025年7月19日(土)、西尾美也によるアートプロジェクト「まちばのまちばり」では第8回目のワークショップを行いました。
今回のテーマは「ファスナーの人」。
条件は「ファスナーが10本ついた服」をつくること。
ただし、闇雲につけるのではダメです。
なぜそこにファスナーがあるのか、しっかりとした理由がなくてはなりません。

今回は子どもから大人まで9名の方が参加しました。
すっかりまちばりの常連という方もいれば、初めてでちょっとドキドキという方も。
ワークショップの冒頭、西尾さんからファスナーのさまざまな可能性についてのお話があったのですが、そこでまず「ファスナー」というものの固定観念が少しずつ壊れていく感覚を覚えた方も多かったのではないでしょうか。
自分自身や過去の体験に引きつけながら、アイデアがどんどん湧いてくる様子は静かな興奮に満ちていて、会場も徐々に熱気を帯びていきました。
アイデアが固まったところで、どんな風に服を仕上げるかを西尾さんに相談します。
毎回この面談の時間が作品づくりの道標となります。
今回も、そのコンセプトならこういうアイデアも足してみたらどうか、という具体的なアドバイスもあれば、「めちゃくちゃおもしろいですね、それで行きましょう」と、力強い言葉で自信を与えてくれたり、2つのアイデアで迷っているという方には、あえてチャレンジングな方を勧めてみたり。
西尾さんのアドバイスは、新たな視点を与えてくれるだけではなく、それによって自信がついたり、迷いを払拭できたり、参加者の思考にさまざまな影響を与えてくれます。
そして面談を境に、おぼろげだったアイデアがくっきりしたイメージへと昇華していきます。

進むべき道が見えたら、あとはひたすら手を動かすだけ。
普段はここからがワイワイ大いに盛り上がる時間なのですが、今回はいつにも増してしんと静まり返っていました。
会場内には、ミシンのカタカタ鳴る音だけが響きます。
でも、それが集中力の裏返しであることは、その場にいる誰もが感じていました。
ファスナーをつける理由を熟考しながら1本1本縫い付ける作業に加え、「10本」というノルマも達成しなければならない今回のワークショップは、楽しいながらも根気の要る内容だったと思います。
本当におつかれさまでした!
みなさんのアイデアは、今回も本当にバラエティに富んでいました。
本来の「開ける」「閉じる」という機能を活かした服(もしくは逆にその機能を無視した服)
ファスナーで「つなぐ」服
ファスナーを「装飾」として使ってみる
コミュニケーションツールとしてファスナーを位置付ける
噛んだり、うまく開け閉めできなかったりというファスナーの「イライラ」を詰め込んだ服
など。



予定より少し時間をオーバーしましたが、無事に9名の参加者全員が作品を完成させることができました。
完成後は、仕上がった服を着て恒例の写真撮影。
少々お疲れ気味にも見えますが、達成感に満ちた表情がみなさん最高にクールですね。

ワークショップ中は派手さこそなかったけれど、出来上がった作品はデザイン性もあって機能的にも面白く、どれもまちばのまちばりらしい作品に仕上がっていて驚きました、と西尾さん。
今回もまた、魔法にかかったような、あっという間の3時間でした。
執筆:上原理恵(千葉国際芸術祭2025アートプロジェクトコーディネーター)